観光案内

神に守られし秘境、口之島

画像:フェリーとしま

画像:色鮮やかなハイビスカス

画像:口之島の夕暮れ

世界遺産屋久島よりも、さらに南に位置する島々……トカラ列島。五つの無人島と、七つの有人島で構成されていて、全ての島を合わせて「十島村」を形成する。この村は、南北162kmに及び、日本一長い村として知られる。

さて、そのトカラ列島の最北端に位置するのが、ここ、「口之島」だ。
トカラ列島に行くには、鹿児島港南埠頭から、十島村営フェリー「フェリーとしま」に乗船する必要がある。その「フェリーとしま」が一番最初に到着する島が、この「口之島」。だからここは、「十島村の玄関口」とも呼ばれる。

大小さまざまな島で構成されるトカラ列島の中でも、「口之島」は割と大きな島だ。正確な面積を言えば13.33平方km、周囲は20.38kmとなっている。
徒歩移動にはさすがに無理があるから、民宿で自動車を借りてから、島内観光(そして、温泉巡り)をすると良いだろう。
ちなみに、「ふじ荘」では、一日6000円で軽ワゴン車の貸し出しを行っている。

山や野には、野生牛やトカラヤギが住み、野生のランや“固有種”タモトユリが咲き……その光景は、“真の自然”と呼ぶべきだろう。
海にはサワラやカツオを初めとする豊富な魚たちや伊勢エビなどが住み、釣り人達にとっては、まさに聖地。島の漁師さん達もその恩恵を受けており、民宿に泊まれば、とれたてのおいしい魚が、必ず食べられる。

また、神々を祀る聖地が多いことも特徴だ。
旧暦11月初寅の日から14日間行われる、大祭「霜月祭り」は、古の文化として、そして貴重な民族神事として、伝承されてきた大切な行事。島の人々は、島内中のお宮をまわり、新米で作った酒やサトイモを供え、家族の健康と農業の豊作を祈る。


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セランマ温泉

画像:セランマ温泉の看板

画像:セランマ温泉の建物

画像:通りすがりの牛

実は「口之島」は、火山島という一面も持っている。
島の南に位置する水蒸気を吐き出す燃岳は、まさにその象徴だ。

その燃岳のふもとに位置する広葉樹林の斜面に、「セランマ温泉」はある。
集落からはおよそ9km離れており、車で20分、徒歩では2時間ほどかかる。普段は施錠されていて、入浴したい時には、島の総代さんに事前に連絡が必要だ。
通常は、ほぼ貸し切り状態の温泉という贅沢っぷり。
山の斜面にありながら、海岸にも近いということから、大海原を眺めながら入浴、なんてことも可能。
しかも施設の裏手には、亜熱帯植物に囲まれた、野性味あふれる露天風呂(いや、ジャングル風呂?)まである。
また、施設が野生牛の生息地の中にあるため、道中、牛たちに出会ったり、珍しい植物を見つけたりすることが出来るかもしれない……。

泉質は「傷を癒す湯」として知られる硫酸塩泉。神経痛・筋肉痛・痔疾・冷え性などに効果ありだ。
周囲の自然からもパワーをもらって、すっかり回復……なんてことも?

料金200円
営業時間9:00~17:00
休業日年中無休
駐車場6台
住所鹿児島郡十島村口之島487
連絡先
  • 099-222-2101(十島村役場)
  • 09912-2-2229(口之島出張所)

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日本最古の野生牛&黒毛和牛の放牧

画像:牛たちの群れ

画像:牛

前岳山麓に広がる原生林からセランマ温泉にかけての範囲(燃岳周辺など)には、たくさんの牛たちが駆け回っている。
その名も「口之島牛」。
日本最古の和牛原種であり、世界的にもあまり見ることが出来ない「完全な野性牛」として知られている。
色は黒や茶色、白い斑点のついたものなどが生息しており、体は小さく、すばしっこい。

一方で、家畜である黒毛和牛の放牧も、この島では行われている。
牛が放されているのは主に、日当たりのよいなだらかな山の斜面だ。

野生牛と、野生ではない放牧の牛。
どちらにせよ、自然を駆け回るたくましい牛たちに出会えることは確実であろう……。


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ここだけの大自然

空と海

画像:ボートに乗船!めざすは海底

画像:ダイビングの準備中

画像:夜空には天の川が……

沖縄や石垣島、奄美大島の、美しい海の話は聞いたことがあるだろう。しかし、トカラの海の美しさはご存知だろうか?
その透明度の高さは「グレートバリアリーフ以上」と考えられており、まさに「人の手が入っていない海」である。深さ5m程でも、底に沈んでいる小石がはっきりと見えてしまうのだ。そのため、ダイバーにとっては聖地として知られている。
少し海流が速いので、流されないように注意しながら、潜っていくと……南国らしいカラフルな魚たちが群れをなして泳ぐ姿が、目の前に広がる。

ダイバーにとっても聖地とされるトカラの海だが、もう一つここを聖地と讃える人達がいる……そう、釣り人さん達だ。
釣りの上級者ならば、必ず「一度は行ってみたい」と考えるというトカラの海。港に糸を垂らせば、マアジが釣れる。子どもが安物の釣り竿で50cmもの魚を釣る。とにかく糸を垂らせば魚がかかる……それがトカラの常識だ。
口之島の主な釣り場は、赤瀬、平瀬、丸瀬、大立神、小立神。特に大立神、小立神は、口之島屈指のポイントと呼ばれている。主に釣ることが出来る魚は、イシダイ・アラ・ヒラアジなどで、季節や場所によって異なってくる。
初心者でもそこそこ大物が釣れてしまうトカラの海。折角なので、釣り竿を持って遊びに来てはいかがだろうか?

トカラは空も美しい。
夜になれば、まるで空に都市があるかのようにたくさんの星が輝き、「天の川」の姿もくっきりと浮かび上がる。トカラの各島では、中之島の天文台を筆頭に、よくスターウォッチングのイベントが組まれ、多くの人々が星を見に訪れる。


“トカラ”のつくものたち

画像:トカラヤギ

画像:トカラバナナ

「トカラヤギ」に「トカラ馬」、野生牛の俗称は「トカラ牛」など、これらはその名の通り「トカラ」固有の生物群だ。“ここでしか出会うことのできない”生き物や植物が、トカラ列島にはたくさん存在する。
中でも有名なものは、口之島にだけ群生する固有種“タモトユリ”。県天然記念物に指定されており、「最も高貴なユリ」という学名を持つ。香りの強い真っ白な花で、普通のユリは花弁を下に向けて咲くのに対し、空に向かって花弁を開くことも特徴的。その美しさから、欧米の園芸業者に目をつけられ、乱獲されてしまい、絶滅寸前になったことも……。

この他にもハイビスカスやガジュマル、アダンなど、南国らしい植物も見られ、パッションフルーツやパパイヤなど、甘い果物も育つ。なんと「トカラバナナ」なるバナナが自生していたりもする。
このバナナ、トカラの亜熱帯性の気候を利用した完全な自然栽培で作られていて、当然のことながら無農薬。お店で見かけるバナナよりも少し小さく、香りがとても良い。口当たりはしっとり、甘さは濃厚かつクリーミー。トカラに来たからには、ぜひ一度ご賞味あれ。


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「トカラ列島」お役立ちリンク集

画像:口之島の美しい海、背景には絶壁が

「口之島に行ってみたい!」「トカラ列島について、もっと詳しく知りたい!」という方がいらっしゃいましたら、下記のサイトをどうぞご覧下さい。(外部サイトへ移動します。)

鹿児島県 十島村 公式ホームページ
フェリーとしまの運行情報、観光案内、イベント情報等、トカラ列島&十島村のリアルな情報が手に入ります。
トカラ列島~日本最後の秘境~
自然、産業と特産品、釣り場や温泉についての情報の他、トカラの歴史についてなど、詳しいデータが豊富!

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